Q.
庭木として3年前に植樹したハナミズキがこの春に初めて開花したのですが、どうやらうどん粉病にやられ、葉を落としました。薬を散布して様子を見ていたところ、枝が折れ、今日、ついに幹まで折れてしまいました。根元からぐらぐらするので引くと、簡単に抜け、そこにはシロアリが巣食っていたのです。あわててその木を燃やし、土にはオルトランを散布(シロアリに利くとは思えないのですが、ほかに思いつきませんでした)しました。家への影響を心配しております。築14年の木造です。yyy床下換気扇がありますが、これは前に住んでおられた方が設置した物で、以前にシロアリが発生したから設置したのかどうかは不明です。yまた、庭木のシロアリは家から派生したものなのでしょうか。それとも逆にこれから家に移ってくる可能性があるのでしょうか。いずれにせよ、家に影響があるとすればどのように対処すればいいのか教えていただければ幸いに存じます。どうぞ、よろしくお願いいたします。y
A.
日本では、家屋などに被害を与えるのは主としてヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。ヤマトシロアリは全国的に分布しており、木造建築物に被害を及ぼしています。y乾燥に弱く水を運ぶ能力がないので、被害は梅雨時から10月頃にかけて集中します。yyyこれに対してイエシロアリは最も被害の激しい種類で大きな巣を作ります。水を運ぶ能力があるため建物全体が被害に遭うことも多いのです。yこの種は1月の平均気温4度以南、本州の神奈川県以西、四国、九州などに分布しています。yyy日当たりの悪く湿気の多い、暖かな場所が被害を受けやすいといえます。y家屋でいえば、北側の水回り(風呂場、洗面所、トイレ、台所等)です。庭木から家に移ってくる可能性もありますので、早期発見の対策としては、まずアリ道はないかを調べることです。yシロアリは地面などにトンネルを作って家屋に侵入するので、建物の基礎や土台の表面に土などで出来たトンネル状のアリ道がないかを観察してみましょう。yy次に羽アリはいないかも重要です。y4~5月ごろの昼間、木材から黒い羽アリ(ヤマトシロアリ)が飛んでいたり、6~7月の夜に黄褐色の羽アリ(イエシロアリ)が電灯に飛んできたら近くに巣がある可能性があります。y防除法としては、まず床下を乾燥させるためには、文中にあるように換気扇などを設けて風通しをよくすることが大切です。さらに家屋の周りには木材を放置しないことです。次に風呂場、洗面所、台所、便所などからの水漏れをなくすことなども大切です。化学的防除法にはシロアリ用薬剤を床下の土台、土壌等に全面噴霧する方法などがありますが、シロアリ駆除の専門業者に相談することをお勧めします。 (シロアリ研究室:松本忠夫 コンテンツプロデューサー:赤池学)