Q.
血を吸った直後の蚊が凍死して凍結状態で長期間保存された場合、吸われた血は赤いままか、それとも凍結下で黒く変色するのか?どうなると思われますか?
A.
実は、とても小さな蚊にとって人の血液は意外にねばねばしたものであり、吸うためには強力な力が必要になります。蚊の針は穴をあけるのでなく、薄いノコギリで細いすき間をあけるだけなので、傷口はすぐにふさがりほとんど跡を残しません。こうして皮膚に入り込み、唾液を注入して、麻酔を行います。これが体内に入ると一種のアレルギーを起こしてかゆみの原因になります。同時に血を固まりにくくする液を入れます。そして上唇(ポンプの役割をする管)で血を吸うのです。ですから、蚊はこの血を固まりにくくする液をもっているので、血を体内に入れても固まらずにすむというわけです。出血した血液は通常、その中に含まれる血小板が空気に触れるとかさぶたとなって凝固します。冷凍保存された蚊の体内の血液の色について実験結果があるかどうかは定かではありませんが、吸った血が空気に触れていなければ、意外に変色は少ないかも知れません。 (コンテンツプロデューサー:赤池学)