Q.
蚊が血を吸う時には、皮膚の何ミリ位刺すのでしょうか? 一匹のメ蚊が一晩に刺す回数は何回でしょうか?
A.
蚊の口器は平均すると約2ミリほどの長さで、人間の皮膚にはその半分から3分の2、つまり1~1.5ミリを挿入していることになります。口器は4本のさぐり針(ナイフのような一対の大顎、ノコギリのような一対の小顎)、1本の細い管(血液を固まりにくくする液を注入する管・咽頭)、1本の太い管(血液を吸い上げる管・上唇)、この6本をしまうサヤ(下唇)の7つからできていて、刺すというよりも薄いノコギリで少しずつ切り裂いていくような方法で皮膚に入り込みます。血を吸うのは産卵のための栄養分を補給する時のメスだけです。蚊はだいたい2mgぐらいを血を吸うと満腹になります。しかし普通は人間が動いたり、叩いたりして一度に目一杯吸うことができません。そのため、何回も吸っては逃げ、吸っては逃げてを繰り返し、1mgぐらい吸ったところであきらめます。ですから1mgになるまでは1匹が4~5回は吸っているといわれています。これだけ吸うと産卵に向かい、また4日ほどすると再び血を吸うようになります。 (蚊の研究室:池庄司敏明)