Q.
先日甥っ子から「蚊には心臓はあるの?」と問われ閉口してしまいました。恥ずかしながら、お教え頂けませんでしょうか。
A.
昆虫は外骨格といわれる外側を堅い外皮で覆われているので、脊椎動物とは体の構造は全く違います。昆虫の血管系は開放系と呼ばれ、血液に相当するものは脊椎動物の血液とリンパ液と組織液が一緒になったような「血リンパ」と呼ばれるものです。 昆虫の背中側(脊椎動物のちょうど脊椎に相当する位置)には一本の太い管が通っており、その後半部分を筋肉(翼状筋)が取り囲んでいてそれらが収縮することによって、管の血液を後ろから前へ送っています。それだけでは身体のすみずみまで血リンパが届きにくいため、触角や脚、ハネなどの付け根にある脈拍器官というものが各器官へ血液を送り込み、心臓の役割を果たしています。ですから、昆虫は人間と同じ体のつくりではないこと、そのため心臓のつくりも人間や脊椎動物と違うことを教えてあげてください。 (コンテンツプロデューサー:赤池学)