Q.
トンボが30Gに耐えられるのは、液体で満たされた袋で心臓の辺りが覆われているからだ、という話を聞きました。yこのことについてお伺いしたいのですが、「液体で満たされた袋」とは、細胞のようなものなのでしょうか?また、覆われているのは心臓だけなのでしょうか? 具体的にトンボの体内のどこが何で覆われているのか正確な名称と共にお教えいただければ幸いです。ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
A.
昆虫は外骨格といわれる外側を堅い外皮で覆われているので、脊椎動物とは体の構造は全く違います。昆虫の血管系は開放系と呼ばれ、血液に相当するものは脊椎動物の血液とリンパ液と組織液が一緒になったような「血リンパ」と呼ばれるものです。y昆虫の背中側(脊椎動物のちょうど脊椎に相当する位置)には一本の太い管が通っており、その後半部分を筋肉(翼状筋)が取り囲んでいてそれらが収縮することによって、管の血液を後ろから前へ送っています。それだけでは身体のすみずみまで血リンパが届きにくいため、触角や脚、ハネなどの付け根にある脈拍器官というものが各器官へ血液を送り込み、心臓の役割を果たしています。y30Gという数字の根拠はわかりませんが、外骨格と血リンパによって体が満たされているのは事実です。 (コンテンツプロデューサー:赤池学)