Q.
こどもから、夏に刺されるより、秋に刺された方が痒いのはなぜ?と聞かれました。言われてみるとそんな気がするのですが、本当でしょうか?いろいろ調べてみましたが、刺される時期と痒さの説明はなかなか見当たりません。
A.
私たちの血を吸う蚊の口はいくつかの部分からできています。血を吸うポンプの役割をする管、ナイフの代わりをする1対の大顎と1対の小顎、唾液を出す上咽頭の6つです。蚊の針は穴をあけるのでなく、薄いノコギリで細いすき間をあけるだけなので、傷口はすぐにふさがりほとんど跡を残しません。こうして皮膚に入り込み、唾液を注入して、麻酔を行います。これが体内に入ると一種のアレルギーを起こしてかゆみの原因になります。人の血を吸う蚊は産卵する時のメスだけで、オスや産卵期以外のメスは樹液や蜜を吸っています。産卵は夏から秋にかけて盛んに行なわれます。季節によってこの唾液の量や質が変わるわけではありませんので基本的には痒さも変わらないはずですが、卵を育てるためにより多くの量の血液を吸うので、長い時間刺されていれば唾液の量がより多く注入されている可能性はあります。 (蚊の研究室:池庄司敏明 コンテンツプロデューサー:赤池学)